株価が割安かどうかの判断基準のPER。
PERが10倍以下の割安株を見つけて購入(もちろん業績が良いもの)すれば、大きな損をしにくいので初心者にはおすすめです。
ただ、PER10倍以下の株の場合、上昇が地味なケースが多いのが現実です。
情報通信系などの人気の成長株は、PERが30倍、40倍、50倍でも買われて株価が急上昇していくことも多いです。こういう銘柄はPER10倍以下ではまず見つかりません。
今日は、初心者さんのステップアップの知識として、成長株の割安度を判断する指標「PEGレシオ」に関するお話です。
Contents
PER(ピーイーアール)とは?
今期のPER = 現在の株価÷1株益(今期の予想値)
でしたね。
この式からわかるように、PERは今後の成長率を考慮されない計算式になっています。
年間5%の成長率の会社も、年間30%の成長率の会社も、どちらもその時の今期の1株益(予想値)で計算しているので、その後の未来の成長は無視した値になっています。
—– PERのみで比較してみると —–
PERだけ見ると、PER10倍のココアちゃんの会社Aの株の方が割安に見えます。
PEGレシオ(ペグレシオ)とは?
では次に、成長率を考慮した指標であるPEGレシオというものを使用します。
PERレシオ=PER÷年間成長率
で計算します。
—– では、先ほどの会社AとBをPEGレシオで比較してみると —–
PEGレシオで割安度はどのように判断するのか?
PERレシオは、平均値が1.5倍です。
1.0~1.5倍以下が割安、1.5倍以上が割高と判断されます。
今回の例でいうと、PERで見ると会社Aの方がPER10倍で割安、会社BがPER20倍で割高。でも、PEGレシオで見ると、会社Aは2.0倍で割高。会社Bは0.67倍で割安となります。
成長性が期待できる成長株は、PEGレシオで判断
PER、PEGレシオのどちらが良いかという話ではなく、うまく両方を使いこなすことをお勧めします。
成長性が期待できる銘柄は、ほとんどの場合人気がありPERが大きくなっていることが多いです。そんな時でも投資対象から外すのではなく、PEGレシオを計算してみることをお勧めします。PERレシオ1.0以下の割安株だったら、買う候補として検討してみてもいいかもしれません。
具体的にどのようにPEGレシオを計算するのか?
PEGレシオを自分で計算する方法
PERレシオ=PER÷年間成長率
なのですが、”年間成長率”の計算が人によって異なるようです。私は四季報の2期分の予想値の平均値を用いて計算しています。
年間成長率 = (今期の経常利益の成長率 + 来期の経常利益の成長率) ÷ 2
*今期の経常利益の成長率 = (今期の経常利益÷前期の経常利益-1)*100
*来期の経常利益の成長率 = (来期の経常利益÷今期の経常利益-1)*100
楽天証券でPEGレシオを確認する方法
楽天証券ならばPEGレシオを確認することが可能です。私が自分で計算した値と異なっていたので、おそらく年間成長率の計算式が異なるのかと思いますが、参考にできると思います。
スクリーニング機能もあるので、PEGレシオ1.0倍以下で銘柄を探すことも、もちろん可能です。ぜひ活用してみてください。

出典:楽天証券
まとめ
- PERの平均値は15倍。それ以下(もしくは10倍以下)ならば割安。それ以上ならば割高。
- 成長率を考慮した指標PEGレシオの平均値は、1.5倍。それ以下(もしくは1倍以下)ならば、割安。それ以上ならば割高。
- 成長株の場合、PERが割高でも買うチャンスあり。成長株にはPEGレシオが便利。