こんにちは。今日は悩ましい投資心理学についてのお話です。
- 分かっているのに、損切ができない
- 利益を伸ばせない
- コツコツためた利益を、全損させてしまった
トレーダーならば、これらのひとつくらいは体験したことがあるかもしれません。
頭でわかっているのに、なんでこんなことしてしまったんだろうと後悔。この「頭でわかっているのに」がくせもので、理性ではなく感情がとても影響してるのです。
これらの感情トリガーの行動は、人間の行動心理からきている罠なので、よほど意識しない限り避けるのが難しいのです。
今回はなぜFXトレードで失敗する人が多いのか、行動ファイナンスの考え方のひとつプロスペクト理論に関して簡単に説明します。
人間の心理的な罠をプロスペクト理論で解説

プロスペクト理論とは?
プロスペクト理論とは、行動心理学のひとつであり、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが発見しました。
行動心理学とは、人間はいかなる場合も合理的に行動する生き物だと思われていたが、実はそうではなくさまざまな心理状態によって非合理的な行動を取ることがあるという理論です。
プロスペクト理論には価値関数というものがあって、以下のような3つがあります。
損失回避性
人間は損をすることを異常に嫌うという心理です。利益が出ているときは確実性を選び早めに利確、損が出ているときは損を確定させたくないため損切が遅くなるというトレーダーあるある的な行動はこの心理からきています。
この罠に引っかかると、9勝1敗の非常に勝率が高い手法があったとしてもトータルでは負けてしまうということが起こりえます。
感応度低減
これは、利益や損失が小さい時には敏感に反応するのですが、その変化が大きくなればなるほど反応が鈍くなるという心理です。
例えば、もともと-10pipsで損切しようとしていたのに損切しそびれて、いつのまにか-15pipsや-20pipsになってしまった。
はじめのうちは、ハラハラ/ドキドキしていたのに、-50pipsくらいになると感覚が麻痺してしまい、そのうち価格が戻るかもしれないと放置。-100pips, -200pipsでもなんとかなるかと放置(ここまでくるともう投げやり)。結果、大きな損切または全損。
参照点依存性
A. FX口座に10万円あったお金が、5万円まで減ってしまった。
B. FX口座に100万円あったお金が、95万円まで減ってしまった。
同じ5万円の損失なのに、Aの方が心理的なダメージが大きい。Bも同じ損失なのに参照点が100万円なので損失の感覚が鈍くなる。
人間は絶対値(5万円の損失)ではなく、参照点(ここではFX口座のスタートの金額)によって損失に対するインパクトが変わってしまう。
投資をするときに、金額よりも%で考えることが良い時もありますが、それはある程度慣れてきた人向け。
初心者は損に対する感覚をきちんと感じることが必要なので、損失は絶対値で判断しましょう。初心者が金額に対する感覚を鈍らせたら本当に怖いことをしでかします。
ではどうやって心理的な罠から抜け出すのか

このような心理的な要因は、感情がある人間である以上トレード中も必ず影響を受けます。
人間である以上仕方がないと思った方がいいです。
そもそも感情がある人間である以上、トレードでは勝つのが難しいということです。
でも、でも、勝ちたいですよね。
勝つにはこの心理的な罠に引っかからないようにしないといけません。
具体的には以下の2点が必要です。
- 人間の心理を勉強して理解することにより、トレード中の自分を客観視する癖をつける
- 自分の感情を排除した一環したトレードルールを作り厳守するような行動習慣をつける
- トレード勝敗は、心理的な要因が大きい
- 心理的な影響を最小限にするためには、人間の心理を理論的に理解をしてトレード中の自分を客観視する癖をつける
- 心理的な罠にかからないように、トレードルールをつくり厳守する行動習慣をつける